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Wednesday, 3月 24, 2010
竹谷 賢二(スペシャライズド ジャパン)
プロフィール:
サラリーマン時代にポラールを活用したトレーニングで日本一に輝く。 その後プロへ転向し数々の日本タイトルを獲得。 ポラールを長年実践してきた経験から、多くのトップアスリートに トレーニングアドバイスをおこなう。
アテネオリンピック日本代表(2004)
全日本選手権優勝4回(2000,2003,2006,2007)
競技カテゴリー:MTB
所属:スペシャライズド
Vol.3 2010.3 「年間メニューの作り方」竹谷賢二
前回はベーストレーニングについて解説しましたが、そういったトレーニングをいつ行うかという、年間プランという考え方を今回説明したいと思います。
スポーツとしてのサイクリング、そしてロングライドやヒルクライムやレースなどのイベントシーズンはおおむね4月から11月という期間になります。
その期間を”オンシーズン”、そしてイベントのない時期を”オフシーズン”、そしてシーズン前を”プレシーズン”として、明確にオンオフと割りきってしまうのも一つの方法です。
しかし、イベントが無いからオフ,というのは適切ではありません。なぜならイベント参加が目的ではない場合では、年中オフシーズンと言う事になっていまします。
体力向上,体脂肪原料,など自己の向上に注力するも,イベント参加するにしても、まずは年間の”いつ”に”何を”達成するかという、明確な目標設定が,それを達成するために重要になります。
これがゴールが具体的になればなるほど目標到達率が高まります。
たとえば、カーナビ設定で目的地がわからなければ,どんなに優れた車でもそこに辿り着くことは出来ません。
しかし、カーナビで目的地を明確に設定して,最適ルートを辿っていくならば,たとえ車の性能が低かろうが,道路が渋滞していようが、時間はかかれど確実にそこに辿りつくことが出来ます。
これは、トレーニングにおいても全く同様です。
目的地=目標達成、
カーナビ設定=トレーニングプラン
最適ルート=トレーニングメニュー
車(とその性能)=トレーニングする人(とその能力)
道路(とその渋滞など状況)=トレーニングをする環境(および生活の中の時間と、読み替えてみてください。
目標達成するという、トレーニングプランを設定して,最適なトレーニングメニューを適時行い,トレーニングする人の能力で,どれくらいの時間がかかるか,というように考えて行きます。
目指す目標が高かったり,今の能力が低い場合は、時間がかかりますから、オンシーズンになってからでは間に合わないことが多いいのです。
ですから、目標達成、それは”いつ”と明確にして,その所要時間は長ければ長いほど,到達の可能性が高まります。
今すぐトレーニングを始めることが一番、可能性を高めるのです。
では、少し細かくみていきましょう。
STEP1 目標の明確化
トレーニングプランを考えるにあたり,目標は、どのイベントですか?どんな目標ですか?今よりも速く、では明確とは言えません。タイムや順位など、具体化できる数値的に達成の可否を判断できるようにすることが、重要です。これにより、取り組むトレーニングも具体性を帯びてくるのです。
例)〇〇ロングライド160kmを8時間以内に完走、△△ヒルクライムを去年よりも5′短縮、□□レースで3位入賞など
STEP2 能力の具体化
具体性を導き出すため、その達成のためには、どんな能力を有する必要があるか、を検討します。さらに、今はどんな能力を有しているかを確認します。その差を埋める作業が具体的かつ必要なトレーニング、ということになります。
例)心拍ゾーンの確認、レース中の心拍、速度、ケイデンスなどの推移、パワーなど
STEP3 生活環境での時間の把握
それをトレーニング出来る環境、生活の中の時間でどれくらい出来るか、一回あたりの時間、頻度を取れるか、を考えます。それを週間計、月間計、年間合計と把握していきます。距離ので把握もモチベーション(やる気)に繋がりますが、時間で管理する方が今日的です。
例)<月曜から金曜日までは仕事/火曜と金曜日は朝6時から1時間/週末1回は6時間のロングライド/週間計8時間、月間計32時間、年間合計384時間><月曜から金曜日は通勤で往復40km/土日で200km、週間計400km、月間計800km、年間合計9600km>など
STEP4 期分け(ピリオダイゼーション)
ここまでで、今からいつまでに、どんな能力を、どれくらいの時間で高めるか、という全体像が分かってきました。
こ次に適時性を考慮してどのようなトレーニングメニューを、いつやるかを決めていきます。
適時性とは、同じトレーニングメニューの内訳でも、いつそれをやったかで目標達成に対する効果が違ってきます。例えば、ヒルクライムの一週間前に、持久力アップの100kmのLSDを行うのと、速度の向上を狙う登坂インターバルを行う、どちらがタイムの短縮に繋がるでしょうか、速度を上げる方ですね。
このように、適時性を考慮して目標から逆算して、いつなにをやるかを決めて行くことを期分け(ピリオダイゼーション)と呼びます。
トレーニング開始日から順を追って設定していきますと、次のようになります。
基礎期(ベース)/目標達成に求められる必要なあらゆる能力の拡充
V.Light~Lightゾーンをメインにトレーニングのボリュームを大きくしていく(※前回参照)
鍛錬期(ビルドアップ)/目標達成に求められる特化された能力の強化
ミドル、そしてハードゾーンとレースに直結するトレーニングの頻度を増やす
調整期(ピーク)/能力を仕上げ発揮出来るように調整
マックスゾーンでの超高強度での刺激を入れつつ、短時間にとどめてカラダは回復させる
目標日(イベント)/本番!
全力で走るのみ!!!
休養期(レスト)/心身共に休めて回復
Very Lightでの回復的な走りなどで、積極的な回復を促す
準備期(プレパレーション)/次の目標にむけて、トレーニングのための体づくり
V.Light~Lightでのトレーニングを徐々に行い、ストレングストレーニングなど補完的なメニューも開始する
これらを考慮して、年間プランを組立てていきます。
次のサンプルは、心拍数のトレーニングゾーンを指標にした、イベントに向けたトレーニングプランの一例です。トレーニングゾーンで色分けをしているので、目標の日に向けた 運動強度x量 の推移が一目瞭然となります。
それぞれの期の詳細は今後さらに解説していきますが、まずは、STEP1〜4を自分で行ってみて、全体像の把握をされることをオススメします。
前回の記事
Vol.3 年間メニューの作り方[PDFのダウンロード]
Vol.2 サイクリングのベーストレーニング[PDFのダウンロード]
Vol.1 心拍トレーニングとの出会い[PDFのダウンロード]