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Wednesday, 1月 26, 2011フィットネスレベルの確認方法
竹谷 賢二 (ポラール・HRTアドバイザー)
来るべきレースなどのイベントシーズンを迎えるにあたり、期待を胸に様々な準備を始められていることと思われます。バイクを新調したり、タイヤやパーツを交換したりと、機材のチューンナップもしていくことはとても楽しいことですね。そして、エンジンであるあなたの身体をチューンナップしたり、排気量アップさせる有酸素トレーニングはもっとも楽しいことです。
エンジンという機械部品と違って、人間の体は物理的に交換する事は出来ませんが、トレーニングを行うことによって変化、生体的な適応を可能とし、あなたを新調したような、あるいは、高性能パーツに交換したように、どんどん性能を上げていくことが出来るのです。
また、行うトレーニングの種類や組み合わせによって、向上する能力も違います。ロードレース、MTB、ヒルクライム、ロングライド、 様々なレース、イベント、あるいは健康増進のための脂肪減少など、目標に応じて、必要とされる能力、鍛えるべき能力が違いますので、目的に応じたトレーニングを行っていきます。ただし、機械の使い過ぎが摩耗や故障の原因となるように、過剰なトレーニングが怪我や体調不良などの、いわゆるオーバートレーニングを引き起こす原因となるので気を付けることも大切です。
あなたに最適なトレーニングを行うためには、まずあなた自身の今のフィットネスレベルの状態を把握する必要があります。いわゆる体力、あなた自身の固有の数値を確認して、それをもとにあなたに合ったトレーニング設定をします。また、運動能力を確認しておくことで、トレーニングの進捗により、能力が向上した度合いも具体的に確認できるようになります。
医科学の研究所、大学の研究室などで専門機材を用いて計測してもらうラボテストは、指定された条件下での測定により、心拍数、負荷値、乳酸値、呼吸交換比という各指標が得られます。これらの指標、自分の負荷値や、体重あたりに計算したVO2MAXなどから運動能力のレベルを相対的に判断することができます。しかし、このラボテストは、いつでも、、どこでも、誰でも、受けることが出来るわけではありません。状態を把握するためのテストは1回限りのものではなく、定期的に評価をしていくために幾度とテストを行うことが望ましいので、時間的やコスト的な制約も関わってきます。
そこで、いつでもどこでも、自分自身でセルフチェックとして取り入れられる方法を2つ紹介します。
1:ポラール フィットネス テスト
運動経験の少ない方、健康目的で使いたい方は、POLARフィットネステストを使うことをお勧めします。これは、POLARハートレートモニター(HRM)を胸に装着して、横になるだけで測ることが出来ますので、身体に負荷をかける必要なく、安全に指標を得ることが出来ます。
詳しい操作方法はコチラ → http://www.polar.jp/ja/5_fit_test
2:フィールド テスト
フィールドテストは、ずばり現場(陸上)でおこなうテストのことです。このテストは、ご自身が普段乗っている上りやインドアトレーナーで行うことが出来ます。十分なトレーニングやレースの経験のあるサイクリストでしたら、フィールドテストを行うのもよいでしょう。
例えば、いくつかの指標の求め方がありますが、自分の場合は6分間のタイムトライアルテストを指標として使っています。これは、5~6分間持続可能な最大出力(CP5、CP6) (注1)を発揮しているときに、酸素摂取量は最大に近いと言われるため、いわゆるVO2Max出現の心拍数を測っています。あるいは、OBLA(注2)といわれる乳酸値の出現する心拍数もこの辺りになってきます。
フィールドテストを実施するにはむやみやたらに走り始めるのではなく、幾つかのステップがあります。
<ステップ1> ウォーミングアップの実施
<ステップ2> 心拍数をが落ち着くまで安静にし、スタートの待機
<ステップ3> 1回目の6分間タイムトライアルをスタート!
スタートしたら、ラップボタンを押して漕ぎ始めます。
ここでは最初にいきなりオールアウトにならないように速度を徐々にあげていき、30~60秒位で持続可能な最高速度に達する感じで行ないます。そこからは強度、パワーは一定に保つ努力をし続けていきます。この時、ギアは重過ぎないよう、軽過ぎないように注意して、自分の最適のケイデンスを保つこと(概ね80~100rpmの範囲)が重要です。走行後3分後位からややきつくなると思いますが、ギアは軽くしてもいいのでケイデンスを保ち、強度を保つようにしましょう。イメージとしては、3分間もつかもたないかのペースで入って、それを低下させないように最大限努力して、踏ん張り続けれるよう努力します。ですから最後、1分間になっても、オールアウトまであげる必要はありません、最後まで、安定して一定的に保ちながら走りましょう。あげられる位でしたら、もう少し全体のペースを上げるべきです。6分経過したらラップボタンを押して終了です。
<ステップ4> 軽く足を回して、水分を取って、心拍数を落としながら休憩
5~10分間休んだら、もう1回6分間のタイムトライアルテストを繰り返していきますので、この間に体力を回復させます。
<ステップ5> 2回目の6分間タイムトライアルテストの実施
<ステップ3>の手順と同様に行いますが、この際に1回目に測定したギア、スピード、到達距離が努力する目標になります。1回目に負けないよう、あげきらなかった人はより高くあげられる様に努力してみましょう。
<ステップ6> それぞれの6分間の平均心拍数の比較
1回目と2回目の数値が近似であれば2本の平均値を算出します。あるいは、どちらか1本があまり頑張れなかった場合は、高い数値を採用しても良いです。また、努力の度合い、屋内、屋外、気温、湿度、体調などにも左右されますので、安定した数値を得るために、日を改めて再度何回かトライしてみることもお勧めします。
<ステップ7> 得た数値を元にトレーニングゾーンの確認
数値を算出できたら、心拍数を1(100%)として、その前後、±5%の10%範囲をゾーン4としています。以下その他のゾーンは次の通りです。最大心拍数相当を100%とするのか、ゾーン4の指標を100%とするのか、という割り当ての違いはありますが、この下記の指標を元にトレーニングを進めていきます。
ゾーン5 Max 105%~
ゾーン4 Hard 95~104%
ゾーン3 Moderate 85~94%
ゾーン2 Light 75~84%
ゾーン1 Very Light 65~74%
著名なUSAのコーチは3マイルTTテストや8分間タイムトライアルテストを指標に用います。重要なのは何を基準とし、トレーニングの指標となる数値と範囲を特定するかということです。計算だけでなく、あなた自身の実測した数値をあてはめることで、より実際に近くなりやすくしているのです。
このフィールドテストは、決めたコースで行うことにより、6分間あたりのパワー、あるいは風などの外的状況が安定していれば速度や到達距離などを確認していくことにより、継続的(3ヶ月ごと)に行えば、あなたの運動能力レベルの向上をセルフチェックできるようになります。
この指標(上記参照)をトレーニングの時のターゲットゾーンとして活用し、トレーニングをプログラミングしていきます。詳しくは解説は次回の記事にて記載するので、お楽しみに!
(注1)CPとは“Critical Power”の略称であり、無限の持続時間にわたってエネルギーを発揮し続けるポイントのこと。
(注2) OBLAとは、“Onset of Blood Lactate Accumulation”の略称であり、「血中乳酸蓄積開始点」のこと。一般的には、血中乳酸濃度が4mM(4ミリモル)に達した時点をOBLAと呼ばれ、運動強度を示す指標として活用されている。