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Wednesday, 2月 23, 2011
トレーニングデザイン
竹谷賢二
楽しむための運動としてのサイクリングとはいえ、より遠くに行きたい、より速くなりたい、あるいはレースやイベントへの参加、脂肪減少や運動不足解消など健康増進と、なんらかの「目標」を併せ持たれていると思います。その目標も人それぞれに違ったものであり、十人十色ではないでしょうか。
十人いれば、それぞれの人が持つ「能力」もまた、それぞれ違っています。瞬発力のある人、持久力のある人、筋力のある人、動作のよい人、集中力のある人、それらの能力の不足やバランスの違いが、その人の総合能力を決定づけていきます。瞬発力があって先行しても持久力がなく遅れてしまう人と、瞬発力が不足して遅れても持久力があり追いついていく人が、同時にゴールをすることもあります。たとえ、ヒルクライムのタイムやレースの順位という結果は同じでも、その総合能力の内訳は、全く違う可能性もありえるのです。
目標が違い、有する能力が違うとなると、当然、行うべきトレーニングの「種類」も違ってきます。例えば前述のように、瞬発力があって先行しても持久力がなく遅れてしまう人は、トラック競技であれば、瞬発力をより向上させるトレーニングをした方が良いかもしれませんし、ロードレースであれば持久力を向上させるトレーニングに優先的に取り組んだ方が、結果をより良くしてくれるでしょう。瞬発力が不足して遅れても持久力があり追いついていく人は、長距離乗り込みをし続けるよりも、追いついた先にアタックできる瞬発力、最高速度アップのトレーニングをした方が、レースで勝てるはずです。人によって鍛えるべき能力、それを向上させるためのトレーニングの組み合わせは千差万別であるといえます。
さらに、人が違えば、当然それぞれに生活スタイルが違ってきますから、トレーニングに充てられる時間、頻度、場所も違ってきます。また、仕事、家事などの生活の負担も違ってきますから、無理なくトレーニングに集中できる度合いも変わってきます。つまり、実際にトレーニングを実施できる「環境」すらも違ってきます。どんなトレーニングが生活環境の中で無理なく安定して継続できるかも、人によって違ってきます。
これらを考慮して、数あるトレーニングの中から、目標達成に必要で、自分に十分ではない能力を向上させ、かつ、生活環境の中で継続が可能なメニューをチョイスしていきます。それらのメニューはひとつではなく、最高速度を上げたいなら最高強度で数秒のメニューもしなければならないし、レース強度での持続性も伸ばすメニュー、フォームやペダリング動作を改善するメニュー、体重を落としてパワーウエイトレシをあげる、、、など、あれも、これも、と複数になってくると思います。それらを、レースやイベントなど目標の日までに残された時間を考慮して、どのタイミングで、どれくらいの期間、どれくらいの頻度で行うか、時間軸の中で配置、「スケジュール」していきます。目標を達成するために、当日までに十分な能力をつけるトレーニングを行い、なおかつ発揮できるコンデイションに仕上げていくのです。
ステップ1)「目標」を設定する
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ステップ2)その達成に必要で十分に持ち合わせていない「能力」を判断する
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ステップ3)生活の中の空き時間など「環境」を把握する
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ステップ4)行うべきトレーニングメニューの「種類」を選定する
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ステップ5)目標の期日までの「スケジュール」を決定する
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ステップ6)トレーニングの実行!
このような過程で、目標達成のための自分だけのプランニングをしていくのですが、その指針として前回紹介した心拍数に基づく「トレーニングゾーン」を用いると、シンプルに分かりやすく全体像とメニューを決められます。
一例ですが、トレーニング開始当初3ヶ月はゾーン2で基礎的な能力、呼吸循環能力や脂質代謝を高めつつ、ペダリング動作を身につけ、次の2ヶ月間はゾーン3でのトレーニングに移行してスピード持久力を伸ばし、レース前1ヶ月にはゾーン5で最大酸素摂取量の向上などによりレースペースでのスピードを高め、直前2週間にはゾーン5で刺激を入れつつ、最大速度を磨いていく、という感じで組み立てていきます。
このように、目標を持ってトレーニングをしていくということは、生活の中でのトレーニングをデザインしていくことになりますので、ひいては良いトレーニングのために良い生活をデザインしてくことに繋がります。規則正しいトレーニングは、規則正しい生活からです。トレーニングは生活そのものを向上させます!人生の質の向上のためにも、頑張ってみてください。