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› レースでのHR活用方法/竹谷賢二
Wednesday, 6月 29, 2011
レースでのHR活用方法
トレーニングの成果をレースで活かす。そのための方法を今回は今年6月に開催された「Mt.富士ヒルクライム」での実際の事例から紹介してみましょう。
他者と争うような状況変化のめまぐるしいロードレースやMTBレースでは様々な要素が関与しますのでより難しくなりますが、ヒルクライムやロングライドなどマイペースを持続させる走りをするレースであれば、かなりペースメークの指標になります。
まずは、ここまでのトレーニングの進捗状況から、自分のレースでの走りをイメージします。
トレーニングが順調にこなせたのであれば、好成績を狙う!のように最高の持続性を発揮するべく積極的なペース配分をしていきます。
具体的には、ここまでのトレーニングで得られた自分自身の情報、他のヒルクライムレースやゾーン4でのトレーニングデータ、1時間の平均値などの、心拍数やケイデンス、そしてパワーをもとに、ペースの指標とします。体調が完全回復して、アドレナリンなどの興奮状態である、ことから実現する本番効果を期待して、その1時間平均心拍数を下限とし、平均パワーを僅かに超えるペダリングをして、至適なケイデンスを維持できるギアをチョイスして、スタートからゴールまで一定的に走り切る努力をしていきます。とはいえ、スタートダッシュや、序盤に高すぎるパワーを発揮して、HRが高くなるようなペース配分は、後に失速を招くので、あくまで、後半になってもHR下限を下回らないように、スタートからゴールまでパワーを均一に僅かに高く維持する努力とします。優先順位はケイデンス、パワー、HRとしてギリギリの持続を狙います。 逆にトレーニングがそれなりであることを自覚している、今回の自分のような場合には、現状できるベストを尽くす、という消極的なペース配分を考えます。
トレーニングから、維持できるであろうというHRを割り出しておきます。自分の場合は2009年に同コレースを走った時のデータを参考にして見ると、170~175bpmの範囲内、ケイデンスは80rpm以上、パワーは平均280~300w想定といったところでした。この設定での優先順位はHR、ケイデンス、パワーです。スピードはできるだけ速くが望ましいし、時間は結果なので、走行中の指標にはなりません。またヒルクライムでは高地に登っていくことで酸素が薄くなり、酸素供給が少なくなりエネルギー代謝は落ちますので、加えてそれは疲労増加と合わせて起こりますので、HRは同一でもパワーは下がってくることも考慮しておきます。このように要素を事前のトレーニングから抽出し、本番の自分の走りを組み立てていきます。
では、「Mt.富士ヒルクライム」のレースデータの確認しながら、実際の走りを振り返ってみましょう。
予想タイムは、1時間5分~10分とオープニングで宣言していました。 自分のターゲットは、170~175bpm、ケイデンスは80rpm以上、パワーは平均280~300w、優先順位はHR、ケイデンス、パワーとして走りました。
スタート地点から計測区間(Lap1)までは位置取りをしながらの比較的に穏やかな走行です。そして計測にはいるところからいよいよペースアップをしていきます。
このペースアップが速い!400w超を持続していきます。1分間たっても落ちる気配がないので、自分の設定からは相当高いことからオーバーペースを避けるために、ここはあえて先頭集団から脱落して、マイペースに切り替えます。
序盤はHRが持続可能と思しき、170~175bpmに達して、それを維持できるギア比でのケイデンスは80rpmを下回らないようにシフトチェンジをして合わせていきます。それと並行してパワーも300wを超える発揮が持続できています。後半標高影響(と疲労)で下がることを見越しておくと、調度よい、と判断しました。
今回は先頭集団に乗れないため、単独での走行となりました。数人先頭集団から遅れた選手と一緒になるタイミングがありましたが、先頭交代、とまではいかずに、ドラフティング効果が得られない中での走行となりましたので、速度には影響をしていることでしょう。 頑張ってだいぶ登ったな、と思ったところで、経過時間はまだ30分しか経っていませんでした。普段でしたら、集団でローテションを繰り返し、速度も上がりやすく、また集中度も上がっているので、気にもしなかった、距離感とか、時間の長さが気になりはじめました。
中盤は、そのあたりから、集中力の低下もあり、また高度の影響と疲労も徐々に出てきたのか、HRの僅かな減少と、パワーの低下も見られます。
しかし、なんとか集中力は保つように努力をしてケイデンスはキープ、勾配の変化に合わせてシフトチェンジと踏み込みのタイミングで慣性を生かして速度を高めたり、同時に脚の筋出力を休めたりしてエネルギーセーブをしながらもペースは維持していきます。後半50分を過ぎて、太鼓の応援から元気をもらい緩斜面では加速をして、速度をドンドン乗せていきます。いよいよ1時間過ぎあたりからの平坦区間では、スムーズなダンシングを意識しながら、加速し最高速43.8km/hをここで記録、タイム短縮を狙ってラストスパートしました。HRはその反応で範囲を超えて高まりましたが、ゴールまでの5分間くらいまで持つだろうと175bpmを超えての最後の追い込み、最後の最後でダンシングも多用していきペースをできるだけあげて、ゴールで181bpmという今日の最高心拍数に達しています。
ペダリングやフォームという動作を綺麗に維持するための集中力、疲労への忍耐力を最大限発揮するために、こういったメーターからの数値というシグナルを利用しながら、自分自身の状況判断に利用して、現状できるベストを尽くしました。

今回のようなデータを見ながらそのレースの最中の主観的なレポートと、このようにHRグラフなど客観的な数値、グラフの照合して、そのレースの走りを省みることは次に繋がる重要なプロセスです。そこから、トレーニングや次のレースに活用できる指標をいくか見つけることが出来ることでしょう。
まとめると次のように、HRをレースに活用できます。
1. レース前、トレーニングデータを基にしたペース設定
2. レース中、ペース配分
3. レース後、主観と客観の照合と指標の抽出
このように、皆さんのベストレースのために、うまくHR数値を取り入れて良い記録を出してください!